天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

黄金

テレビ映像の画面から

 「こがね」「おうごん」「くがね」と呼ぶ金をとり上げる。佐渡の金山は古来有名で、ヨーロッパには、日本が黄金の国と伝わっていた。


  天皇(すめろぎ)の御代栄えむと東(あづま)なる陸奥(みちのく)
  山に金(くがね)花咲く      万葉集大伴家持


  ひかりさす瑠璃のこけぢにいとどしくこがねの真砂をしき
  重ぬらん                源 俊頼


  来む世までながきたからとなる物はほとけにみがくこがね
  なりけり                藤原良経


  こがねほるみちのく山にたつ民の命もしらぬ恋もするかな
                      源 実朝
  黄金もてつくる仏をてらふとや世に輝かぬ寺とてはなし
                      荷田春満
  とことはにくがねかがよふみ仏の御足のもとによみがへるもの
                      斎藤茂吉