「こがね」「おうごん」「くがね」と呼ぶ金をとり上げる。佐渡の金山は古来有名で、ヨーロッパには、日本が黄金の国と伝わっていた。
天皇(すめろぎ)の御代栄えむと東(あづま)なる陸奥(みちのく)
山に金(くがね)花咲く 万葉集・大伴家持
ひかりさす瑠璃のこけぢにいとどしくこがねの真砂をしき
重ぬらん 源 俊頼
来む世までながきたからとなる物はほとけにみがくこがね
なりけり 藤原良経
こがねほるみちのく山にたつ民の命もしらぬ恋もするかな
源 実朝
黄金もてつくる仏をてらふとや世に輝かぬ寺とてはなし
荷田春満
とことはにくがねかがよふみ仏の御足のもとによみがへるもの
斎藤茂吉