天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

甲冑

浜松市龍潭寺にて

 甲は鎧(胴部につける) 、冑は兜(頭部につける) を意味する。刀剣や弓矢を用いた戦闘時の防御用具である。古代ギリシアでは青銅や革の甲冑が使われていた。古代中国では殷代に青銅兜があり,周代には革甲があった。古代の日本には埴輪に見られる挂甲など大陸の影響の強い。平安時代以降からは、日本独自の甲冑が工夫された。


  伊勢武者は皆ひをどしの鎧着て宇治の網代にかかり
  ぬるかな          平家物語・源 仲綱


  富士川に鎧は捨てつ墨染のころもただきよ後の世のため
               平家物語・読人しらず
  緋威(ひをどし)の鎧を着けて太刀佩きて見ばやとぞ思ふ
  山ざくら花              落合直文


  冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴り
  ひびきたり              玉城 徹