吉田松陰の三余説真筆
二宮町の徳富蘇峰記念館に出向いて、吉田松陰が書き遺した三余説の真筆を見てきた。内容は特段のものではない。どちらかというと年少者向けの教訓に近い。ただ、松陰直筆の気迫のこもった若々しい書体に感動した。背筋を正される思いであった。松下村塾で育った若者たちが、明治政府の中枢に入って近代日本の礎を築いたことを改めて実感させられる。
松陰関係の展示は二階だが、一回には常設展示があり、この中で強烈な印象を受けるのは、西郷隆盛が着ていた外套である。西南戦争で自刃する前に部下に与えたものが、人を介して徳富蘇峰にもたらされたという。外套のサイズはそれほど大きなものではない。さる研究によると身長は179cmだったという。
記念館の庭は水仙が満開、梅は咲き始めであった。
松陰の筆の気迫や雪中花
松陰の若き気迫のほとばしる真筆を見て背筋正しぬ
松陰の処刑を無駄になさざりし明治政府の長州ファイブ
松陰の気迫あふるる真筆を読みて出づれば水仙の花
西郷の首筋の汗つきたるか毛の裏打ちの黒き外套