和歌には、「浅瀬白浪」「荒浪」「沖つ白浪」「川浪」「ささ浪」「ささら波」「白浪」など、様々な形で詠まれた。
須磨の関夢をとほさぬ波の音を思ひもよらで宿を
かりけり 新古今集・慈円
底ひなき淵やはさわぐ山川の浅き瀬にこそあだ波はたて
古今集・素性
風吹けば面がはりゆく田子の浦のこなみしもこそさが
なかりけれ 源 重之
風ふけば波のあや織る池水に糸ひきそふる岸の青柳
源 雅兼
かなしくもかかるうきめをみ熊野の浦わの波に身を
しづめける 建礼門院右京大夫
渡つ海の浪もひとつに冱(さ)ゆる日の雪ぞかざしの
淡路島山 新後拾遺集・為重