天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

道のうた(7)

索道(webから)

道の性格は、「・・・道」ということで表される。鉄道、水道、石畳道、坑道、廃道、県道、野道 等々。


  等高線青く列なる山の上索道は細くひかりつつ垂る
                   林 善衛
  引きかへさむと思ふばかりの峻(さか)しき道保つは
  親し古への道           吉田正俊


  伐採の終りし谷の廃道を埋(うづめ)つくして咲く
  母子草              永井保


  あらくさの照れる野の道あゆみゆく鳥語聴こゆるまでの
  青さに              塚本 詢


  つつましき道のはたての夕ざくら忍(しのび)者のごとく
  人は消えたり          百々登美子


  道うがつ作業は午後も続きゐてやがて一途の旋律となる
                   伊勢方信
  法へ導かれる石畳道 ひたすらに白い その一筋の道。
                   井伊文子
  寂光院の帰りの道のわかれ道かならず道はわかれてをりぬ
                   福田栄一
  雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられて
  これはのり弁           斎藤斎藤