朝日を詠う(1/4)
朝日とは、朝、東から昇る太陽。旭は常用漢字ではない。朝日影とは、朝日の光のことであり、要注意。万葉集の二首は、草壁皇子の死を悼んで舎人たちが詠んだ二十三首の晩歌のうちにある。「佐太の岡辺」は草壁皇子の墓がある真弓の丘のこと。
朝日照る佐太の岡辺に群れ居つつわが泣く涙止む時も無し
万葉集・日並皇子宮舎人
朝日照る島の御門におほほしく人音もせねばまうら悲しも
万葉集・草壁皇子舎人
峰高き春日(かすが)の山に出づる日は曇る時なく照すべらなり
古今集・藤原因香
朝日かげにほへる山のさくら花つれなく消えぬ雪かとぞ見る
新古今集・藤原有家
春きぬとそらにしるきは春日山峯の朝日のけしきなりけり
藤原俊成
打霞む春の軒端の朝日影のどかにうつるうぐひすの声
黄葉集・烏丸光広
くもりなくとよさかのぼる朝日には君ぞつかへむ万代までに
金葉集・源俊頼
[注]このシリーズで載せた画像は、webの「思わず息をのむほどの美麗さ、
世界中で撮られた夕焼けや朝焼けの写真30枚」から借用・トリミングした。
http://gigazine.net/news/20110817_sunrise_photography/