枕詞概要(2/3)
▽発生的経過
(1)万葉集の中期以前
尊厳な神、崇高な自然、畏怖すべき天然現象などを強調
して印象付ける。純真素朴なまこと・ますらおぶり。
「被枕」は、必然的に神名、人名、地名などが主に
なった。
(2)万葉集後期
歌謡から和歌へと創作活動が盛んになった。共用の言葉
から文芸性を帯びるようになった。
歌風の個性化。
「枕詞」には、みやび、ひなびの姿。
「被枕」には、動くものを対象、動詞や形容詞といった用言
(3)古今集以降
内容の空虚な観念的な表現、形式的修辞に落ち込み、使用
されることも少なくなった。
「序詞」「掛詞」「縁語」へ移行。
(4)江戸時代以降
「枕詞」として規定し、上代からの修辞法の一つとして位置付け。
▽出典別
(1)古事記から使用されているもの 74語(10・9%)
(2)日本書記から使用されているもの 33語( 4・9%)
(3)万葉集から使用され始めたもの 426語(62・9%)
(4)古今集から使用されたもの 61語( 9・0%)
(5)その他の歌集から使用されたもの 84語(12・3%)