天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

星のうた(9/12)

webから借用

 特殊な形態の星として、流れ星(流星)、彗星がある。ただし、流れ星は宇宙塵が大気圏に突入した時に空気との摩擦で発光するもので、燃え尽きてしまうか、地上におちて隕石になるので二度とは見られない。一方、彗星はそれぞれ周期をもつので、くり返し現れる。今回は流れ星・流星群のうた。


  慕ひよりて追はるるものか罪負ひて堕ち行くものかかの流れ星
                     相馬御風
  光りつつたちまち消えし流れ星あかつきの海はいまだ暗しも
                     古泉千樫
  神いまだわれを忘れず流星(りゅうせい)の一瞥(いちべつ)を
  得てふとかく思ふ           中原綾子


  妻に見え吾には見えぬ流星のはつかに淡くかげつねに引く
                     近藤芳美
  寒夜空ぽおつと燃えて過ぎたるは獅子座流星群または性愛
                    小島ゆかり
  流星雨降(くだ)りし胸と眼底(まなぞこ)といづれか死後に
  記憶のこさむ            山中智恵子


  流星群幾たび見けむ太古よりメタセコイアの冬のこずゑは
                     岡本 勝