天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

星のうた(12/12)

はくちょう座

 星座のうたをあげる。天空に分布する星のいくつかを結ぶと動物や人の形に見える。これらに名前を付けたのが星座である。星座が生まれたのは、古代バビロニア時代だったと言う。以来いくつかの時代に星座がまとめられたが、現在は国際天文学連合により88の星座(黄道星座は12、北半球には28、南半球には48の星座)に整理されている。


  眠りゐる子の息のみがやはらかし冬の星座が星をふやす夜
                     辺見じゅん
  輝ける冬の星座よ愛すべきリアリズムとは夢を糧とす
                     水野昌雄
  レインコートをボートに敷けば降りそそぐ星座同士の
  戦(いくさ)のひかり          穂村 弘


  歳月が奪ひてゆきしものよりも近々とあり冬の星座は
                     横山裕
  さそり座に月かかりつつ音もなし青葉は少しづつ冷えゆかむ
                     高安国世
  蠍座がかすかに朱し文藝を絶つにはおそすぎる年齢(とし)ならむ
                     塚本邦雄
  彦星を抱くくまなき紺瑠璃もいつかはほろぶ宇宙とおもふ
                     永井陽子
  大熊座は小熊座のまわりばかりまわり家族の星のほそき明滅
                     駒田晶子


[注]右上の画像は、web「天体写真の世界」
     http://ryutao.main.jp/my_large.html
   から借用・トリミングした。