天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

星のうた(8/12)

おおいぬ座(webから借用)

 西洋から航海術や天体望遠鏡が伝わった近世以降では、南十字星、天狼星(シリウス)、オリオンなどが知られるようになる。シリウスは、おおいぬ座で最も明るい恒星で一等星の1つ。太陽以外では地球から最も明るく見える。


  夜をこめてわれは識るなりはろばろし光きびしき冬の
  シリウス               坪野哲久


  昏れふけてこな雪しまき西方に群落なせる星みだれたり
                     坪野哲久
  冬の夜の星のことごと人間にその名呼ばれんとして
  うるわしき              坪野哲久


  真夜ひとり湯浴びみしおればほろびたる星さんらんの
  輝きぞみゆ              坪野哲久


  樟の木の樟が匂へばシリウスの夜が甦へりくる青き冬なり
                    生方たつゑ
  かの光芒放つ天狼星(シリウス)は失せざらん人は何かを
  やりかけて終る           浜田蝶二郎


  はるばると来にし命かひとつ天(あめ)に南十字星見ゆ
  北斗七星見ゆ             宮地伸一


  まもられて来しことあらじさむき星天狼おのがひかりに荒るる
                     雨宮雅子