ヒタキ科の鳥で、日本の特産種。夏、亜高山帯の笹などの下生えの多い林で繁殖し、冬は中国南部に渡って越冬する。昆虫類を食べる。鳴き声が馬の嘶きに似ているので、この名がついた。鶯、大瑠璃とともに古来三鳴鳥のひとつであった。
駒鳥のこゑきこゆ、誰が飼へるものか、彼方の棟の
開かれし窗(まど) 尾山篤二郎
駒鳥は大きくまし子は小さく飛ぶ数もて来る尾長
やかまし 土屋文明
山にいりて世ははるかなり渓(たに)川(かは)やあを葉に
ひびく駒鳥のこゑ 中村憲吉
屏風なす屋根をゆくとき駒鳥の一声きこゆガスの谷より
中西悟堂
東京に我はかへらむりんりんと朝(あした)の峡にひびく駒鳥
岡野弘彦
