俗語・口語のレトリックの範疇に入れてもよいが、雅語と俗語の対比を目立たせるレトリックである。
かきつばた欠伸して眼の濁りたる かきつばたvs欠伸
あら玉の年立つて足袋大きかり あら玉の年vs足袋
春の瀧肩から軽い布かばん 春の瀧vs布かばん
春宵一刻博多の太か月が出た 春宵一刻vs太か月
ずん胴に伐られて染井吉野かな ずん胴vs染井吉野
江戸俳句から小林一茶の例を次にあげておく。
鶯やとのより先へ朝御飯 一茶 鶯vs朝御飯
手枕やボンの凹(くぼ)よりとぶ螢 手枕vs螢
白露や茶腹で越るうつの山 白露vs茶腹
菜の花や垣根にはさむわらぢ銭 菜の花vsわらぢ銭