天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕪村の画賛句(2/11)

  木の端の坊主のはしや鉢たたき    明和五年(53歳)、自画賛

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 「鉢たたき」とは、鉦やひょうたんをたたきながら空也念仏を唱え勧進すること。また、その人々。江戸時代には門付け芸にもなった。特に京都の空也堂の行者が陰暦11月13日の空也忌から大晦日までの48日間が有名で、そこから冬の季語になっている。
 この句は、鉢叩きを、木の端と人にいわれる坊主のさらに末端に位置するものかと戯れ捉えたもので、徒然草1段を引用している。即ち、
「法師ばかりうらやましからぬものはあらじ。人には木の端のやうに思はるるよと清少納言が書けるも、げにさることぞかし。」

[参考]www.shoga.jp/item/2017/11/17098.html