天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

食のうたー蕎麦、うどん、ラーメン(3/3)

 ラーメン: 中華麺とスープを主とし、様々な具(チャーシュー、メンマ、味付け玉子、刻み葱、海苔など)を組み合わせた麺料理。日本への伝播としては、明治時代を迎え神戸や横浜などの港町に中華街が誕生し、そこで提供された南京そばに始まるとされる。(参照: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)

 

  ひと泣きしてたっぷりとまた食べに来るきつねうどん あなたも食べていますか

                      梅内美華子

  麦(むぎ)縄(なは)といふ古き名を思ひつつ初秋(しよしう)の熱きうどんを食へり

                       高野公彦

*麦縄: 中国では索(さく)餅(べい)と呼ばれたもの。小麦粉と米粉を合わせ,塩を加えてこね,縄のようにねじった形にしたものとされ,煮て食べたらしい。

 

  堰を越え流れてきたるうどん片(へん)体くねらししのち沈みたり

                       音羽 晃

  即席ラーメン湯にふやけゆく刻の間を今日一日のわが身装う

                       浜田康敬

*下句の解釈: 朝方に今日一日のための服装を身に着けているのだろう。

朝食を即席ラーメンで済ませるとは、忙しい仕事についていたと思われる。

 

  どうにでもなれと屋台のラーメンの湯気よ 涙がでるではないか

                       吉岡生夫

  二人して味噌ラーメンの丼に掴まりながら夜の淵にをり

                      渡辺真佐子

*切羽詰まった恋愛関係にある二人を想像する。

 

f:id:amanokakeru:20200803071004j:plain

屋台  (WEBから)