天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

数・数学のセンス(2/2)

  億年の時の流れのどのあたり赤き椿の花を拾ふは

                      安永蕗子

  数字にて子らの姿は映せずと知りつつもなお数字書きおり

                      大城和子

  風呂の湯は素数に設定されていて私は1度C上げてから出る

                      吉野亜矢

  数の単位「浄」と「不可思議」量りつつかき氷の山くづしゆく昼

                     春日いづみ

  一、十、百・・・・那由多、不可思議、ガンジスの沙(すな)ほど雨の

  ひしひしと充つ            春日真木子

*春日真木子は春日いづみの母である。母娘で数字の単位の歌を詠んでいる。

 

  早春のなほはるかなる未知として方程式のXとY

                     小島ゆかり

  父の行方をXとしたる方程式解ければ長月に逢えるだろうか

                     紙谷ふじ乃

*方程式とは、まだわかっていない数を表す文字を含む等式のこと。自然科学が

 取り扱う様々な量の間に成り立つ関係は、方程式として記述されている。

 

椿の花