天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

表現の工夫

 「籃生」八月号の黒田杏子主宰の巻頭15句の中から技巧上の工夫の見える例を挙げよう。

       青梅雨のあけ方の夢あをしあをし
       青梅雨に入る龍潭寺方広寺
       ひきがへる余命を知らず知らされず
       どこまでも青田どこまでも螢川

すなわち、同形の言葉の繰り返しである。表現上の革新はこうした努力
の積み重ねから生まれる。


会社から帰りのバスから見た夕景から一句を。

       夕涼の犬にしたがふ散歩かな