天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

近所の畑にて

 アリ科を除く膜翅目の昆虫の総称で、世界には約10万種が存在する。特に熱帯に多くの種類がいる。


  夕青き微光のなかにあがりゆく足長蜂は脚を垂らせり
                      北原白秋
  酒(さか)ほがひ蜜蜂(すがる)のごとく酔ひ痴れて羽な鳴らしそ
  君もおはすに              吉井 勇
                      
  かがやきて蜂のめぐれる花椿ひるの孤独は病みてより知る
                      滝沢 亘
  木の洞(うろ)のごときところに死にたれば働蜂はうちかさなりゐき
                      葛原妙子
  花に寄り脚を垂れゐる冬蜂の微光に酔へるかたち澄みゆく
                      青井 史
  シンビジウムの葉に来し蜂が一瞬を少し滑りてしかと止れり
                      市村善郎