辛夷（こぶし）はモクレン科の落葉高木。つぼみが開く直前の形が、子供のにぎりこぶしに似ているところからこの名前がついたという説あり。古名は、やまあららぎ。
くぐもりのみづみづしきを刺して立つ辛夷さながらにいまだも
冬樹(ふゆき) 岡部文夫
やうやくに辛夷のつぼみ光るころ岐路越えて湧くわが悲しみは
長沢一作
あらあらしき春の疾風(やはち)や夜白く辛夷のつぼみふくらむ
べしや 尾崎左永子
生毛(うぶげ)もつ辛夷の花芽紺ふかき空に時をり花のごと
光(て)る 木俣 修
こがらしに枯葉ふき飛ぶ公園は辛夷のつぼみ和毛(にこげ)
まとへる
