モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木。果実は集合果で、にぎりこぶし状のデコボコがある。コブシの名前の由来である。九州、本州、北海道および済州島に分布。「コブシ」がそのまま英名・学名になっている。 古くは、やまあららぎ、と云った。
陽に炎えて山こぶし咲く 人界をのがれしものが振る春の旗
斎藤 史
辛夷咲く三日がほどのものおもひこころざし心のいづこを刺す
塚本邦雄
はなびらの伸ぶる力はふる殻をおし破りたり真白き辛夷
玉城 徹
咲きさかるそのきはまりに翔けらむかやまあららぎの千の白花
三国玲子
くぐもりのみづみづしきを刺して立つ辛夷さながらにいまだも冬樹
岡部文夫
諸葛菜見上ぐる宙(そら)の花辛夷
街路樹の辛夷咲きたり「おとうと」の看板が立つフジサワ中央
