天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

とりが啼く・・・

二宮町吾妻山にて

 もはや花は散った頃。それでも未練がましく手近の吾妻山に行って見た。葉桜になりつつあり、シャガの花や連翹、山吹が花盛り。石楠花も見かけた。


     花ちるやみな俯ける石地蔵
     鐘楼の鐘を鳴らさず花吹雪
     旋回し花の下ゆく滑り台
     連翹の花をまぶしむ吾妻山


  鹿うさぎ孔雀キンケイ消え失せて檻の網目に枯葉貼りつく
  水仙の黄花しぼめるかたはらに水色ふふむシャガの白花
  菜の花と花大根のならびたる山のなだりに散るさくら花
  とりが啼く吾妻山みちわが来れば黄色まぶしき連翹の花
  葉桜の木立の中に咲き出でし赤きむらさきしゃくなげの花