天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ツメクサ

鵠沼海岸にて

 クローバーのことで、欧州原産の多年草シロツメクサアカツメクサがある。わが国には、明治期に移入されたという。ただ、江戸時代に、オランダからガラス器を船で日本に運ぶときに、割れないように緩衝材としてガラス器の間につめたところから、「詰め草」と呼ばれるようになった、という説もあり、正確な渡来時期は不明。


  空晴れて鐘の音美(くは)し苜蓿(つめくさ)の受胎の
  真昼近づきにけり           北原白秋


  白つめ草蕋をかこみて細かなるいとつつましき花に
  かがみぬ               長沢美津


  青芝にまじるつめ草の白き花すがしく見ゆるゆきて
  踏まねど              佐藤佐太郎


  ほしいまま白つめ草が公園のすべてをおほひ遊ぶ子
  のなし                伊藤一彦