天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

山桃

藤沢市新林公園にて

 ヤマモモ科の常緑高木。庭木や街路樹にされる。関東以西から沖縄、東アジアの暖かい山地にはえる。6,7月に実が熟し食べられる。樹皮は褐色の染料になる。別名として楊梅(ようばい)、山桜桃、火実などがある。


  枝かはすやまももの木の夏木立わがみづいろの
  網床かけよ            青山霞村


  山楊(やまもも)の未熟を甕に漬けこみて澄むこと難き
  夜を眠るかな           安永蕗子


  山楊(やまもも)のかげ暗くしてをさなごの罪を容れざる
  穽(わな)のごとしも        高嶋健一


  やはらかき土踏みくれば山桃の樹下きらきら笑ふ女童
                   伊藤一彦

  ほのかなるやまももの実はわが摘まむこの日したがふ
  ひとり子の為           小池 光