ウリ科の多年生つる草。雌雄異株。晩秋に朱色に熟す。葉が落ち尽した後もぶら下がっているので、目立つ。中の種は黒く、カマキリの頭に似るというが、まだ開けて見たことはない。
うれしさのこどものくれしからすうり 森 澄雄
枯れきつて中の虚ろや烏瓜 長谷川櫂
晩秋の朱たもち来しからす瓜冬深むころ机上に乾く
長沢一作
先の先まで伸ばすことなくしぼみゆくことしおわり
のからすうりの花 沖ななも
枯れてなほ朱の色消えぬからす瓜風に吹かるる残世
があれば 安永蕗子
からすうりのレースの花がしゆつとひらき こんな
にしづか地上の時間 日高尭子
あはれなる其の名と思ふ烏瓜実のくれなゐの黒ずみ
にけり 清水房雄