天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

踊り

阿波踊り(テレビ映像から)

 華やかなのは、山形の花笠踊り。日本人として海外にも誇りたい踊りに、徳島阿波踊、越中八尾の風の盆 がある。踊りの振り付けも毎年工夫がなされ観客に深い感動を与える。庶民も参加するものとしては盆踊りが一番なじみ深い。踊は初秋の季語。傍題に、盆踊、ながし、踊子、盆唄 がある。
 なお右の映像は今年の阿波踊りから。


     てのひらをかへせばすすむ踊かな  阿波野青畝
     盆は皆に逢ふて踊つて一夜きり   大野林火
     づかづかと来て踊子にささやける  高野素十
     盆唄に山の大きさ唄はるる     村越化石


  かぜは清し月はさやけしいざこども踊りあかさむ老の
  なごりに               良寛


  豆の葉の露に月あり野は昼の明るさにして盆唄のこゑ
                    太田水穂
  いちやうに朱の花笠ひるがへす盆の踊りのはなやぎ寂し
                    明石海人
  木曽ぶしはいよいよ冴えて古き家のあるじがをどる真夜
  冷えにけり             今井邦子


  またひとり顔なき男あらはれて暗き踊りの輪をひろげゆく
                    岡野弘彦
  年々に死者鮮しく盆の夜のまはり踊りの低きこひうた
                    竹安隆代