以下には、「文学の小径」の板碑に紹介されている俳句の例をあげる。
道ばたの墓なつかしや冬の梅 芥川龍之介
一生一瞬に去来すもずの声 山本有三
かれくさやまの雲白くゆうべおそし 萩原井泉水
したたりの音の夕べとなりしかな 安住 敦
春浅く柑橘の色とこしなへ 原 石鼎
どうどうと山雨が嬲る山紫陽花 長谷川かな女
天の川あす釣りに行く沖の見え 五所平之助
遠可鹿ひびきて冷ゆる夜の肌 西島麦南
春の海観音丸に鯛釣るる 獅子文六
秋の蚊をあわれむ我れや旅に病む 岡本綺堂
汐ざゐのいづくへ月の蜜柑山 黛 執
声かけて欲しい椿の青蕾 金尾梅の門