天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

湯河原・万葉公園(2)

万葉公園にて

 以下には、「文学の小径」の板碑に紹介されている俳句の例をあげる。


     道ばたの墓なつかしや冬の梅    芥川龍之介
     一生一瞬に去来すもずの声      山本有三
     かれくさやまの雲白くゆうべおそし 萩原井泉水
     したたりの音の夕べとなりしかな   安住 敦
     春浅く柑橘の色とこしなへ      原 石鼎
     どうどうと山雨が嬲る山紫陽花  長谷川かな女
     天の川あす釣りに行く沖の見え   五所平之助
     遠可鹿ひびきて冷ゆる夜の肌     西島麦南
     春の海観音丸に鯛釣るる       獅子文六
     秋の蚊をあわれむ我れや旅に病む   岡本綺堂
     汐ざゐのいづくへ月の蜜柑山      黛 執
     声かけて欲しい椿の青蕾      金尾梅の門