天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

イチローを詠む(6)

マリナーズ時代

 マリナーズでの最終年の試合は、来る日も来る日もまともなヒットを打てず、無様に空振りするイチローを見ることは、耐え難いほどであった。マリナーズにおけるイチローの立場が、放送で解説されるのでファンも居たたまれない。野茂にしても松井にしても選手晩期は、往年の実力をすっかり失って、選手としてはどこの球団からも相手にされなくなった。イチローの場合はどうなるのか?
 

  ピッチャーにバット立てたるイチローの髭面になし
  かつての自信


  三割をきりし打率のイチローに厳しかりけり地元新聞
  最下位の球団なればイチローの高き年俸割に合はずと
  点を取る基本ともなる盗塁をファンに選手に示すイチロー
  世界的記録保持者のイチローも落ち目になればファンは
  イライラ


  人みなが果たせぬ夢を託すらし世界記録を作る選手に
  今年もや最下位ならむ客席に閑古鳥鳴くセーフコフィールド
  イチローは刺激もとめて移籍せりMLBのチャンピオン
  目指す


  最強の野球チームの戦略を体験せむと意を決せしか
  イチローの移籍は遅きに失せりとわがこととして張本勲