天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

わが歌集からー人名(3/6)

     イチロー

  しなやかに強靱(きやうじん)なればイチローのバットにもなるコバノトネリコ

  イチローと大輔の勝負途中にて勤めに出づる朝の深緑

  イチローも松井も帽子胸に当てアメリカ国歌を面はゆく聞く

  イチローの打球に芝生ちぎれとびその後を追ふライト、センター

  ストライク見のがしボール球を打つ職人芸がイチローにあり

  イチローの十年連続二百本の安打あやぶむ秋立ちにけり

  イチローは二百安打へあと七本テレビ見ていた糸瓜忌の昼

  イチローの二百安打をこの年も期待して見る朝のBS

  あんな球振るわけなかろ イチローは振つてヒットにしたりけるかも

  あちこちのCMに出るイチローの打撃不振は心さむしも

  イチローの無安打の日は腹立たし二度とゲームは見ないぞと思ふ

  イチローの十一年目を応援す退職後の楽しみとして

  外野手三人集まりたれどイチローのみ屈伸運動してをりさみし

  打てざれば食事も咽喉を通らざる日のありしことイチロー語る

  ツーアウト満塁にしてイチローの凡打にをはるゲーム落せり

  イチローを慕ひてゆきし川崎の道化かなしむメジロヒヨドリ

  目標を見失ひたるイチローの打率低迷最下位球団

  イチローを応援するは虚しいよキリン、ユンケル、ENEOSDoCoMo

  観客は総立になり拍手せりヤンキースの八番打者イチロー

  イチローに別れを告ぐるシアトルのファンの涙のあつき夕暮

  「いい夢を見させてもらった」イチローの移籍に言へりアナウンサーは

  イチローの移籍は遅きに失せりとわがこととして張本勲

  ICHIメーター消えにしセーフコフィールドをさみしと言へり武田一浩

  イチローは今日も無安打葬式の帰りに知りぬ新幹線に 

  吒枳尼天(だきにてん)・豊川稲荷イチローの祈願のあれば涙ぐましも

  イチローの二千九百三本目 十二対一の一に寄与せし

  吒枳尼天(だきにてん)・豊川稲荷イチローの祈願見てより追ひはじめたり

  愛工大名電高のイチローは夏春二度の甲子園出場

  その年のドラフト一位は田口壮イチローは四位高卒にして

  イチローの癖を矯正せむとせし土井正三山内一弘

  イチローの真価見出しはぐくみし新井コーチと仰木監督

  イチローもふるへあがりし大震災 野球のできる喜び語る

  酒のませMLBへ行きたいと仰木監督を説得したり

  横顔は古武士にも似るイチローが右翼に立てりマリナーズの守備

  シスラーの娘はすでにおばあさんイチローの快挙に立ちて拍手す

 

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豊川稲荷