天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

観覧車

みなとみらい横浜にて

 現在のモーター駆動による機械式の観覧車は、1893年アメリカ人技師により開発された。観覧車の英名「フェリス・ウィール」に、彼の名が残っている。シカゴ万博のアトラクションの一つとして建設された。その高さは80.4mであった。現在までで世界一高い大観覧車は、シンガポール・フライヤーで、高さは165mという。


  観覧車ゆるく廻れば見おろして人間の街の地平の濁り
                      武川忠一
  観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には
  一生(ひとよ)              栗木京子


  観覧車夜ぞらをめぐる 碌々と生きて老いゆくことも
  また燦                 米口 實


  闇の彼方に観覧車青く光りをり死ののちも人間に遊園地あり
                      佐藤通雅
  別れなん子を中央へ運びゆく花のうてなの観覧車見ゆ
                      久津 晃
  永劫のなかのひととき黄昏(たそがれ)のウィーンの茜
   赤き観覧車              川端 弘