メロン(続)
果実を食用とするウリ科つる性植物の総称。網メロン、カンタループ、冬メロンなど欧米系の3変種およびそれら相互あるいはマクワウリとの交雑品種をさす。網メロンの代表格はマスクメロン。冬メロンにはハニデューがある。プリンスメロンは欧米系のメロンとマクワウリとの交雑種である。アムスやアンデスは、網目があり果肉は緑色。夕張やクインシーは果肉が赤い。
卓(たく)換へて大きメロンを切りにけりわらひさざめく
朝めしの後 土岐善麿
しろがねのナイフの光ひと刺しにメロンの肉をしたたるしづく
四賀光子
ウリ科つる性いまだメロンにあらざる日天竺に重き実は
横たへき 馬場あき子
刺すことばばかり選べり指熱くわれはメロンの縞目をたどり
春日井建
冷えすぎのメロン家族に切り分けて夫の肩書きに我も列なる
栗木京子
カロリーを計られてくる食膳のメロンに濡れて五月のひかり
上野久雄
七曜の七つのかがやきおぼろなりあと五、六日眠らすメロン
阪森郁代
ちちははの霊(たま)まつる場もなき室にメロンを食める
盛夏の家族 大野誠夫
ひと匙のメロンに込めし吾が願ひ母は「うまか」と深く頷く
福岡 薫