天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

砂時計

箱根の喫茶店にて

 透明な中空の管に入れた砂の落下で経過時間を計る装置。砂時計の本体部分は、ガラス等の透明な材料で作られた、両端が閉じ、中央がくびれた管でできており、その中には本体の容積の半量以下の砂が封入されている。一般に「砂」と呼ばれるが、自然砂以外の粉粒体も広く用いられる。「砂」として用いられるものには、珪砂、砂鉄、シリカゲルを細かくした人工砂、ジルコンサンド などがある。
 その起源は古代ギリシャ、ローマ、中国ともいわれているがはっきりしない。14世紀になって描かれた絵によって航海用の時計として使われていたことが確認できるという。具体例としては地球一周をしたマゼランが、18個の砂時計を船に積みナビゲーションに使用した。
 中国語では「沙漏」、「沙鐘」と表記される。


  けんめいに砂時計創りし天智帝「時」を惜しみきいまだも若く
                       香川 進
  古き砂時計の砂は秘かなる湿(しめ)り保(も)ちつつ落つる未来へ
                       塚本邦雄
  砂時計の砂のすべり止めようもなく 別れは掌に重い風信
                       梓 志乃
  砂時計の砂落ち果てていま過ぎしばかりの過去が山型に見ゆ
                       岡本光
  刻落とすサウナの中の砂時計たかが汗だと言ってくれるな
                       本田千恵