火山を詠む(2)
火山のもたらす恩恵もある。火山の地形・環境から得られる美しい風景、湧水、温泉、黒曜石などの鉱物である。火山のできる場所は、詳細は省くがだいたい次の3種類に分類されるという。
1.プレート発散型境界(リフトバレー、海嶺)
2.プレート収束型境界(海溝)
3.ホットスポット
小説や映画で、『ポンペイ最後の日』、『日本沈没』などを
見たことがある。
火山岩あらはにとがる寒(かん)の崖(がけ)弾かるるごとく
鴉とびたつ 木俣 修
わが生命(いのち)棲まねばならぬたしかさに火山(ひやま)を
据(す)ゑて村低きかな 清田由井子
亡命のごとひとりなり樹骸枝(じゆがいし)の手がたに垂れし
火山帯きて 生方たつゑ
沼のうへ重くくるしき隆起あり泥火山にて泥塔をなす
佐藤佐太郎
火山灰(よな)熄まず刑おもりゆく町々か寺院の如く声を
のむ枝 浜田 到
セントヘレンズ噴火の灰があはれあはれ世界諸国に散りて
ゐるとぞ 秋葉四郎
鼻先に人参見せて移送車へ馬誘ふ人に噴火は迫る
高橋誠一