火山を詠む(1)
火山は、地球の殻にあるマグマが地表や水中に噴出することによってできる山やカルデラ(凹地)である。その噴火は、時に人間社会に壊滅的な打撃を与える。大噴火は、歴史的な記録や伝承に残されている。太陽系の惑星にも地球以外に火山の噴火が確認されている。火山の噴火が確認されている。木星の衛星イオ、土星の衛星エンケラドゥス、海王星の衛星トリトンなどである。
寂しければ首さしのべてわれの見る火山の島は濡れてゐにけり
福田栄一
わがうちに在る火山群いただきのみな欠けまま冷ゆるほかなし
斎藤 史
火口壁を降りゆきし若者かへり来てそれよりいたく無口となりぬ
斎藤 史
高千穂は神岳(かむたけ)ながら近づけば熔岩の赭き斜面し見ゆも
川田 順
火を噴けば浅間の山は樹を生まず茫として立つ青天地(あをあめつち)に
若山牧水
遠き火山に日あたりおればわが椅子にひっそりとわが父性覚めいき
寺山修司
ぬれやすき頬を火山の霧はしりあこがれ遂げず来し真夏の死
寺山修司