天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

炎帝の見下ろす大地

横浜市東俣野の田野にて

 台風が去った後の晴天は、まさに炎帝の支配する灼熱の大地となる。緑あふれる野山ではあるが、木陰のない野道を歩くと目がくらむばかりである。出水のひいた野川にそって稲田の周辺を歩いたが、熱中症を怖れて一時間ほどで帰ってきた。
 なお炎帝とは、古代中国の伝説で火や太陽の神、夏の神を指す。俳句では夏の季語。


     食事後の昼寝日蔭の工夫たち
     合歓の木の莢実ふくらむ酷暑かな
     水ひけば川岸の草刈りはじむ
     炎帝の怒りを避くる木陰かな
     仏塔に化したるホテル雲の峰
     生き急ぐ木立の蝉の鳴きやまず
     毬栗の裂けるを待つか庭木立


  翡翠が魚捕る時を写さむと池のほとりにカメラ構へる
  不自然な鳥の飛び様目に追へば人のあやつるドローンとなりぬ
  先発のイチロー今日もヒット無し空席目立つマーリンズ球場
  地球から約4光年発見の地球に似たる惑星ひとつ