天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

酢茎(すぐき)

NHKテレビ「キッチンが走る」の映像

 京都市上賀茂地区特産のカブの一品種であるスグキナの葉と根を塩漬けにし、室に入れて加温し、強く乳酸発酵させて作った漬物のこと(すぐきづけ)。俳句では冬の季語。京の三大漬物(千枚漬け、しば漬け、酢茎)のひとつになっている。


     加茂川の日々に涸れゆく酢茎かな   岸風三楼
     酢茎剥く前垂同じ嫁姑       西村しげ子
     愛宕護符すぐきの室の入口に    藤本安騎生
     散らかれる縄や菜屑やすぐき宿    星野立子
     この辺の家のたつきの酢茎桶     稲畑汀子
     六道の辻へ消えたる酢茎売     野田久美子