天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

遊行寺のハクモクレン

藤沢遊行寺にて

 藤沢遊行寺放生池のほとりの白木蓮が今年も満開になった。樹齢は約40年という。つぼみが必ず北を向くことから「コンパス・フラワー」という別名がある。この花により遊行寺は、「東国花の寺百ヶ寺」に登録されている。
ちなみにこの放生池については、元禄7年(1694)五代将軍徳川綱吉の「生類憐れみの令」発布にともない、江戸市中の金魚・銀魚が集められ、この遊行寺の池に放生された、との説明板がある。ちょっと信じ難い。


  枝ひろげ朝の陽ざしに輝けり緋鯉の池にかかるハクレン
  梅の花おほかた散りし池の辺にはくもくれんの花さかりなり
  勤行の本堂にゆく回廊を暗めて咲けるハクレンの花
  遊行寺の池にたたせる観世音はくもくれんの花に笑まへり
  今までは気付かざりけり碑(いしぶみ)の藤沢宿の江戸見附跡