天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

山下清さん(7/8)

汽車路を歩く

 太った体で精薄の若者を周囲の人達はよくからかった。人が面白がると乞われるままに全裸になったりした。甲府駅でこれをやったために警官につかまり甲府市の山梨脳病院に強制入院させられるはめになった。


  きんたまを人に見せたら警察で手錠かけられ病院に行く
  病院の牢屋の中でつらいのは腹が減ること退屈なこと 
  おとなしくしてさへゐれば牢屋から出すと言はれて我慢してゐる 
  広島は島かと親にたづねてる隣の牢屋の若い男が
  「食べろし」は「食べなさい」といふ山梨の方言だつた
  おもしろかつた

 
  病院を裸で逃げてかけて行く子供四、五人追ひかけてくる
  方々の家でもらつた小銭ため電車に乗つて家に帰つた