天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

笹

 イネ科タケ属で小形植物の総称。各地に分布し、種類には熊笹ちまき笹、千島笹、オカメ笹など多種類がある。以下の作品では、宮 柊二の歌だけが叙景になのだが、イメージが最も鮮明になっている。


  小笹(ささ)の葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ
  別れ来ぬれば         万葉集柿本人麻呂


  笹の葉に置く霜よりも独りぬる我が衣手ぞさえまさりける
                   古今集紀友則
  笹はらをただかき分けて行きゆけど母を尋ねんわれならなくに
                      斎藤茂吉
  雨過ぎて空を負ひたる笹原を下り来る人猫をさげたり
                      宮 柊二