天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

橋のうた(6/6)

明石海峡大橋(webから)

 レインボーブリッジは、東京の港区芝浦地区と台場地区を結ぶ吊り橋で、平成5年8月26日に開通した。レインボーブリッジという名称は一般公募による。正式名称は「東京港連絡橋」と、極めて即物的
 明石海峡大橋にも「パールブリッジ」という愛称があるが、これも一般公募による。しかしこちらの愛称は、ほとんど普及していない。


  太陽の塔も燻(くすぶ)り声もなし むかし数寄屋橋
  ここにありき             北沢郁子


  レインボウ・ブリッジと呼び絶望の橋と呼ばざる都市
  の慈悲こそ             藤原龍一郎


  永代橋に打たれし丸き鉄の鋲 列の乱れに朝日あたれり
                     稲村一弘
  明石海峡大橋(パールブリッジ)繋ぐてのひら光りあふ
  ああやはらかな時のかたまり     尾崎まゆみ


  久留橋(くるばし)は魔の橋自死を誘(をび)く橋こころひたすら
  とほせんぼする            岩田 正


  立谷川工業団地の煙立つ秋かげろふの鉄橋のうへ
                     高橋宗伸
  無機質の街に夕日の傾きてレインボーブリッジの一端光る
                     波 克彦
  スカートの裾いっぱいの歩幅もて勝どき橋の夕暮れをゆく
                     鶴田伊津
  一葉を浮かべてゆっくり流れゆく水を見ており眼鏡橋より
                    上川原紀人