石榴の花

　石榴はザクロ科の落葉小高木。八重咲きの園芸品種を花石榴という。実を結ばない。花の色には、白・淡紅・朱・絞りなどと様々らしい。俳句では、石榴の花が夏の季語で、花石榴は傍題。

　　　　　　泪目に淡路島かげ花ざくろ　　　　柴田白葉女
　　　　　　朱印打つ坊守も留守花ざくろ　　　前川きくじ

　　告白をこばみきたりて修羅の眼のごとき朱の花柘榴に向ふ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　木俣　修
　　花石榴ふみにじりつつ慄然たり戦中派死ののちも戦中派
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　塚本邦雄
　　暗きもの身はそれぞれにもつものを石榴はしげりつひに花咲く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　馬場あき子

　　　　
　　　　　　一族の怨霊しづむ花ざくろ