海老とも書く。甲殻綱十脚目長尾類の総称。海水産としては日本近海に五百種もいるという。中でも伊勢海老は、縁起物として飾られたり、祝いの席に供される。伊勢海老は、「飾海老」「海老飾る」と共に新年の季語。淡水産には、ヌマエビ、テナガエビ、ザリガニなどがいる。
伊勢海老の跳ねて秤目定まらず 青木秀穂
暫(しばらく)の顔にも似たりかざり海老
永井荷風
飾海老髭を大事に売られけり 佐藤恵美子
道のべに水わき流れえび棲めば心は和(な)ぎて
綏遠(すいえん)にあり 土屋文明
鉄板に海老の如くにかがまりて帰り来りし此のうるさき国
小暮政次
進藤部長とカウンターに居る壮絶な形に揚がる海老の天麩羅
加藤治郎