天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

神奈川県二宮町吾妻山

 アザミはキク科の多年草。多くは秋に開花するが、種類により開花時期が少しずつ異なる。野薊、鬼薊、フジアザミ、ハマアザミ、モリアザミなど日本産は80種もある。根は食用になるというが、一度も食べたことはない。



  ここを過ぎれば人間の街、野あざみのうるはしき棘
  ひとみにしるす           塚本邦雄
                        
  人知れず咲くゆゑうれしむらさきの色冴え冴えと
  薊花群               来嶋靖生
                        
  暴風のかなたなるアザミ紅たもち眠るがごとし
  深き思ひに             川野里子


塚本の歌には、下句の措辞に塚本の特徴がよく現れている。