天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

背高泡立草

近所の河原で

 この時期、川辺や野原に見かける背の高い金色の花である。北米原産。わが国には、明治に渡来。日本には、同類の秋の麒麟草がある。キク科の多年草



  休耕の田に咲きさかる泡立草すでに見馴れて
  人怪しまず           長沢一作
                      
  いくさ戦の日に砲をつくりし廃屋をめぐりて
  泡立草ゆれやまず        島木正斉

                      
  駅前にせいたかあきのきりんそう黄のたくましく
  街は衰ふ            林 安一
                      
  セイタカ草あふるるほどに咲くあたり暗き家族が
  むかし住みゐき         時田則雄
                      
  からからに枯れ果ててなほ立ちてゐる泡立草の
  茎にある意志          大崎瀬都