天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

今年の元日

近所の川辺で

 朝八時近くに食事をとり、BSテレビ(正倉院国家珍宝帳に関する話)を見た後、近くの諏訪神社遊行寺に参拝した。わずかな賽銭に大願成就を願うのが庶民である。遊行寺の宝物館にも寄った。帰りは、境川の川辺を歩いた。人を恐れぬ鶺鴒の雛に出会った。


  いにしへの神しろしめす御蓋山(みかさやま)いまに
  たふとき浮雲の峰


  太刀、弓、箭(や)、甲も納めし正倉院宝の数を
  しのぐほどなる


  仲麻呂は乱にそなへて納めけむ正倉院の武器の数々
  金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんかざりからたち)鮫皮を
  柄に巻きたる刀身三尺


  金銀鈿荘唐太刀実用の刀身佩きし天皇(すめろぎ)あはれ
  みづからが納めし弓に射られけむ正倉院の武器と仲麻呂
  梓弓春きたりなば隣国の横槍さらに身に迫るらむ
  やはらかな心かへれと神仏に願かけまゐるこの元日は
  美しき「南無阿弥陀佛」の筆跡の掛軸の前わが去りがたし
  鶺鴒の雛が野道をとびあるきわが近づけば親のこゑする
  遊行寺の参拝後に買ひにける焼芋うまし日本酒の午後


[ご注意]このブログをご覧になって、その場所を訪ねられる読者がおられるのは、ありがたいのだが、以前にもコメントしたように、ブログに載せる時期は、現実より10日くらいは遅いことにご留意頂きたい。錦秋だと思って訪ねたところ枯葉ばかりだった、という事態では申し訳ない。