天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

半夏生

大船フラワーセンターにて

 「はんげしょう」は、夏至から十一日目、今年は七月二日であった。この頃には半夏(カラスビシャク)という毒草が生えるのでこの名があるという。右の画像がその植物である。昔、この植物の毒気が大気中に立ちこめるといって、当日は畑の野菜を採るのも控え、井戸に蓋をする風習があった。


  半夏生とや 毒ある草の生ふる日のひなたにわれは
  撮されをりぬ           蒔田さくら子


  天の神地の神ゑらぐ半夏生漂ふ毒は人を酔はしむ
                   山埜井喜美枝
  半夏生 こわれし凸のレンズもて七月二日の夏陽を集む
                    道浦母都子


  半夏生 わたくしは今日頭上より雨かんむりを
  しづかにはづす            永井陽子