翡翠
翡翠(ひすい)はもともと玉のことだが、鳥のカワセミがこの玉の色を持つので、ヒスイとも呼ぶ。雄を「翡」、雌を「翠」という。そして翡翠をカワセミとも読む。川蝉とも書く。カワセミ科の鳥で、ユーラシア大陸中南部等で繁殖。日本全国の川、池、湖等の水辺にすむ。赤土の土手などに穴を掘って巣となし、3月から8月に白色球形の卵を3個から5個産む。俳句では夏の季語。
翡翠や鳳凰堂の前の水 龍岡 晋
翡翠に杭置去りにされにけり 八木林之助
峡ふかくたぎつ水泡に触りて飛ぶ翡翠の障uゆめのごとしも
岡野弘彦
幾筋の光 するどく空を截り かはせみは今朝 巣立ちたるらし
岡野弘彦
耳朶に触る、夜のみなかみの声すなり翡翠ひそむ髪にあらずや
前 登志夫
詠嘆にかなふことばも翡翠もただ待ち待ちて逢ふものならば
今野寿美
瀬を弾くひすいの光ついと逸れ岩鼻のへに翡翠となる
沢田英史