天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

コスモス

二宮町吾妻山にて

 メキシコ原産のキク科の春まき一年草秋桜ともいう。秋に開花するが、夏前に開花する早咲きの園芸品種もある。


     コスモスを離れし蝶に谿深し    水原秋櫻子
     コスモスの裏口出れば日本海    長谷川エミ
     家持の海うつくしき秋桜      三谷いちろ


  コスモスは瓦礫の間に花そよぎ炊ぐひとゐてバラックのうら
                       木俣 修
  かえらざる言問いに似てコスモスの花ゆれやまず人のさびしさ
                      岡部桂一郎
  コスモスの揺れ合ふあひに母の恋見しより少年は粗暴となりき
                      中城ふみ子
  絶叫などしないではないかコスモスのゆらゆらしんと遠き山なみ
                       高松秀明
  コスモスにみつばちは寄り離れたり遠くとおくて平らな脳波
                       加藤治郎