天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

江ノ島にて

 ハタオリドリ科の鳥。ユーラシア大陸の中・南部に広く分布する。日本では留鳥として人家に近く見られる。人間に親しい。穀物を食べるので害鳥だが、昆虫も食べる。


  ねやの上に雀の声ぞすだくなる出たちがたに子や
  なりぬらん            曾禰好忠


  黒く汚れ痩せて小さき雀なり電車線路にもの食み歩く
                   都筑省吾
  この路地の一番起きにわれと雀たのしき声は雀がまさる
                   坪野哲久
  どれからといふわけでなく次々に石を離れて雀舞ひ立つ
                   奥村晃作
  宙にひらく一瞬にして群すずめ投網のごとく野面にしづむ
                   筒井早苗
  ぼく達の弱さを美しくあらしめよ プラットホームに
  二羽の小雀            森本 平


  今日もまた競輪ですか電線の雀が口を揃えて言えり
                   石田比呂志
  雀の頭に埋まる聴覚ひつそりと椿の枝にゐて雨を聴く
                   馬場あき子
  大いなる隔たりならむ雀らの木に止まりわれに止まら
  ざること              岡崎康行