天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花韮(はなにら)

湘南平にて

 ハナニラ属の多年草。原産地はアルゼンチンで、日本には明治時代に観賞用に導入された。球根植物。葉にニラやネギのような匂いがあるので、ハナニラの名がある。繁殖力旺盛で、植えたままでも広がる。野菜のニラは同じ科の植物だが、属が違う。


     韮の花ひとかたまりや月の下  山口青邨
     足許にゆふぐれながき韮の花  大野林火
     人去つて風残りけり韮の花   岸田稚魚


  崖畑を高き道路の下に見つ二うね揺らぐは韮の玉花
                   阿木津 英
  韮のはな白くむらがる庭のべに夏のなごりの日ざし
  とどまる              藤川弘子


  英一の賜ひし花韮年年の勢へる花に吾が行く先を
                    千代國一