天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

イチローを詠む(9)

ニューヨークの家庭

 弓子夫人と柴犬「一弓(いっきゅう)」との生活は、さすがに豪華なものである。 「一弓」という名前は、イチロー(一朗)と弓子から一字ずつとったという。実業界にせよスポーツ界にせよ成功者は、それに見合う報酬を得る。ただスポーツの世界は、選手としての寿命が短い。こうした内情がマスコミによって世間にさらけ出されるので、精神的にかなりの負担がかかるはず。昨年、ヤンキースに移籍してからは打率が上がった。しかし今年は低迷して、打席も7番や8番と下がっている。毎回試合に出るわけにもいかなくなった。


  ひと月の家賃三百二十万円犬「一弓」と夫婦が住みて
  大記録残しし後を楽しめり一兵卒としてイチロー
  血湧き肉躍る活躍イチローヤンキースへの移籍後の日々
  イチローの盗塁気にせるピッチャーがフォアボール出す
  今日の試合も


  床ずれの尻を時折浮かせては今朝も見てゐるMLBを
  ジータ、イチロー、A・ロッドといふヤンキース2012年の
  最終打線


  俯きてベンチに帰る三振の打者の背に吹くブーイングの風
  NHK昼のニュースにイチローの複数安打伝へしあはれ
  二十一打席ヒットのなきままに打順は下がる八番イチロー
  イチローはMLBの監督にワールドシリーズ制覇して欲し