天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ユキノシタ

鎌倉・円覚寺にて

 花が鴨の足に似ているので「鴨足草」、葉の形からは「虎耳草」、雪の中でも葉の緑が衰えないことから「雪の下」などと表記される。
 鎌倉市に「雪ノ下」という地名があるが、その由来は、源頼朝の食事に雪を出すため、雪を貯蔵しておく雪屋を八幡宮の裏あたりに保存したためという。また、このあたりは「ゆきのした」という草が多くはえていたからともいわれている。


     手ふきただ垂れて狭庭や雪の下      原 石鼎
     島の猫顔はみな似て雪の下       杉岡せん城


  ゆきのしたの群落足に薙ぎはらひ歌が何せむうたがなにせむ
                        塚本邦雄